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資格取得者インタビュー きき酒師
山下真裕美さん
東京都在住。
日本酒の有名な居酒屋にて店長を務める。
――きき酒師の資格を取得したのはいつですか?
私が取得したのは2007年10月29日です。
――取得したきっかけを教えて下さい。
当時働いていた飲食店できき酒師の資格に合格すると、費用を半分支援してくれるという制度があったんです。それが最初に取得を考えたきっかけです。
しかし、資格を取得する前は、自分の日本酒の知識に自信がない部分もありました。
日本酒の知識を再確認したい部分もありましたし、きき酒師という資格を持っていることでお客さまに与える印象もプラスになるのではという思いもありました。
当時はまだ、店長という立場ではなくアルバイトとして飲食店で働いていましたので。
――合格にかかった費用と期間はどれくらいでしたか?
きき酒師を取得の仕方は5つの方法があり、通信講座、DVD受講コース、会場受講コース、通学受講コース、1泊2日コースがあり、私は会場コースで受講しました。
1日会場で受講し、その後認定試験を受けるというものです。
元々、日本酒の知識があったので勉強という意味では時間はあまりかかりませんでした。全く知識が無い方が受講すると時間がかかるかもしれませんが。
私が受けた当初は受講料が4万円、合格認定登録料が2万5千円、入会金1万8千円、年会費が1万5千円でした。今は受講料が5万5千円に値上がりしているようです。
私は会社から支援してもらえたので助かりましたが。
――取得で苦労したことなどはありますか?
私の場合は飲食店で働いていたので、勉強面であまり苦労はしませんでした。
もちろん覚えなければいけないことはありましたが。
しかし、金銭面で考えると大変ですね。9万5千円かかりますし。
年会費も払い続けなければいけないので。
――きき酒師を取得してメリット・デメリットはありますか?
飲食店や日本酒関連の仕事で働くことを前提で考えれば、周囲からもプラスの評価をもらえますしメリットは大きいと思います。
デメリットと言うのかはわかりませんが、よく飲むだけで何のお酒か当てられるの? と聞かれてしまうことがあります(笑)。
きき酒師は利き当てをするわけではなくて、日本酒をナビゲートする職業だということが幅広くは認知されていないみたいですね。
日本酒に詳しいという面では理解されているみたいですけど。
きき酒師というのはワインで言うところのソムリエです。
どうやって日本酒を楽しんでもらうか、味もそうですし、出し方もそうですし、出す順番や合わせる料理なども全て考えられるようにならなければいけません。
たとえばお客さまがくだけた席にしたいような要望があれば、その要望に合わせたくだけた接客、フレンドリーな接客を心掛けますし、かしこまった席を要望であれば、それに合わせてかしこまった接客を心がけます。
そういうものも含めてきき酒師だということを知ってもらえれば良いと思いますね。
――きき酒師を取得して仕事意外の面、実生活での変化はありますか?
今は忙しく仕事がメインの生活になってしまうのですが、たまにプライベートで日本酒を飲む場面では見方が変わりますよね。いつの間にか仕事目線になってしまっています(笑)
あとは日本酒が好きな人との交流が増えるということもありますね。
きき酒師の会の懇親会もあるので。
私はあまり行く機会がないですが、そういった会に参加される方はまた交流が増えるかもしれませんね。
――これからきき酒師の取得を考えている方にメッセージはありますか?
取得した当初はアルバイトながら責任ある仕事を任されていたのですが、自信が無かったんですよ。取得した時は自信が持てて本当に良かったなと思いました。
若い人で飲食業についている方、日本酒に関する仕事をしている方で自分の知識に自信を持てないという方にはオススメします。
私の場合、アルバイトという立場から店長という立場になるためにはきき酒師という資格を取得したことは大きく役に立ったと思います。
今、漠然と取得を考えている方は自分にとって本当に必要かどうか考えてから取得してもらえれば良いですね。
私自身はきき酒師を取得してメリットが多かったと思います。
(取材・文:舟崎 泉美)